例の怪しげな男に話しは戻ります。 これが彼の食事時を苦労して撮ったものです。手前の黒いサングラスの男はボディーガードでしょう。外で彼が出てくるのを待って撮りなおしたのが下の写真です。
Johnは秘密カメラを持参してこなかったのです。 まさかこんな事件が待ち受けているなんて思いもしなかったことです。
通常つかっているデジカメで気づかれないように写真を撮るのは容易なことではありません。それにしてはうまくいきましたが,
奴はまたしても顔を隠しています。なかなか手ごわい相手だと見うけられます。今までの事件で一番難しいかもしれません。
次にどうしても必要なのは, 金の受け渡し場面です。 それがいつ, どこでなされるのか,
尾行しなければなりません。この小さな船の中, 気づかれないよう尾行するのは不可能に近いでしょう。 なにしろ彼はプロですから,
そのうちばれるのは時間の問題です。夕飯を食べながら戦略を考えました。
その時またしても, 実名Natashaである“Megu”が現れました。“現れた”という表現は適切でないかもしれません。 実は彼女,
私たちのことを偵察していたのです。
船の中にスパイが二人?!
|
|
|
|
彼女はしばらくの間様子を伺っていましたが, 私たちは知らぬふりで, 怪しげな男の話をしていました。 しばらくして彼女は姿を消しました。 私たちがただの観光客でないことに気づいています。 Johnは何か事が起きるのではないかと直感し,
すぐ3階へ下りてゆきました。奴がロビーで何食わぬ顔をして座っています。 多分コンタクトを待っているのでしょう。
じゃNatashaは? 彼女がどうして私たちを偵察していたのか確信がありません。 でも答えはすぐに明らかになりました。 |
見てください! Natasha がKeikoを拉致するその瞬間を射止めたのです!.
|
Keikoは全力で抵抗しています。 Natashaがスパイとして訓練を受けているのは明白でした。 二人の体格はほぼ同じでしたが, Natashaは比べようもないほど力が強いようです。Keikoは捕らえられ,
連れて行かれてしまいました。勿論わたしたちは後を追いました。 運の良いことに,
私たちの部屋は彼女たちの隣だったことがわかりました。Keikoを助けるチャンスは十分ありそうです。
|
彼女たちは部屋の中に入りました。 Keikoを助けるには, Natashaが外に出る隙を狙うか,
または彼女が部屋を出る口実を考えなくてはなりません。
今はもう一度怪しい男のところに戻って様子を見たほうがよさそうです。
|
我々がロビーに行ってみると, 驚きました。 奴は堂々と公の場で寝に入っています。 何て大胆な奴でしょう! 彼は寝ているので,
コンタクトはまだしばらく現れないだろうと思い, 我々はKeikoの様子を伺うために部屋に戻ることにしました。 壁の向こうで何が起きているのか聞き耳を立てて聞こうとしますが、何も聞こえません。
|
|
壁が厚すぎるのだろうか? でもかすかに泣き声が聞こえるのに気がつきました。 Keikoのすすり泣きにちがいありません!
彼女はどうも部屋で一人のようすです。
|
隣の部屋の様子を覗くのに, 歯ブラシが余計にあるかどうか聞く振りをすることにしました。 Johnはやはり冴えています。 ドアをノックしてみましたが,
返事はありません。 ノブを回してみると幸い鍵がかかっていません! 中ではKeikoが一人っきりで椅子に縛られていました。思った通りです。彼女は怯えきっている様子でした。"Keikoさんもう大丈夫!" |
彼女の喜び様を見てください。 子供のようにはしゃいでいます。 彼女はにっくきスパイの手から救われました。 彼女を安全な場所に移しましたが,
まだすべてが解決した訳ではありません。 あの怪しい男が残っています。すぐにそちらに取り掛からねばなりません。 何か変化があるかどうか,
またロビーに戻ってみました。
|
|
|
奴は相変わらずふてぶてしく居眠りしています。 私はJohnに尋ねました。“今晩本当に誰かコンタクトしてくると思っているの?” Johnの観察は鋭いものでした。 彼は騙されませんでした。“奴を良く観てみなさい。” Johnが確信を持った声で言うのです。 でも私には何も判りません。“毛布の下に何かあるのが判らないか? 盛り上がり方が前と違うだろう。 奴は既に金を受け取ったに違いない。 僕たちは一歩遅かったようだ。”
|
Johnがそう言い終るやいなや, 誰かが私たちの肩を軽く叩きました。後ろを向くと,
この好青年がフィリップス66の帽子をかぶって立っています。 |
|
“あなたたちのしていることは全てわかってます。 どうぞ心配せずに。私はFBIのエージェントです。あの北朝鮮のスパイを逮捕する十分な証拠を確保しましたから。”
ワォ!
Johnは彼にKeikoがもう少しで拉致されるところだった事と, 彼女を安全に保護している旨伝えました。すると彼は“あなたたちのご協力には本当に感謝しています。” と言って, 拉致を試みた女性の本名はNatashaだと教えてくれました。 Natashaはすでに彼が逮捕したそうです。 |
彼は続けて言いました。“今日は二つの事件が重なったので, 私一人で両方をこなせるかどうか判りませんでした。でもあなたが助けてくださったおかげで,
二人の犯罪者を捕まえることができました。ありがとう!” この時すでに逮捕されていたNatashaの写真です。 彼女は捕まったことを悔やんでいました。
|
|
これでミステリーは終わりです。冒険に次ぐ冒険。ミステリーは楽しかったですか? 以下の方々の協力を感謝します。おかげで楽しいフェリーの旅が味わえました。
|
キャスト
Natasha; 小樽在住のMeguさん
Keiko; 小樽から富山にお嫁入りしたSanaeさん
FBIエージェント; 新潟の川口さん
怪しい男; 正体不明
怪しい男のボディーガード; 無意識の内に写真に写っていた人
|
|